雨の日の過ごし方

隣の母の部屋からドスンと大きな音が聞こえてきました。 その音で母は間違いなく転んだと私は思いました。ついに3回目の骨折と 覚悟して母の部屋に入りました。 車椅子がドアのすぐそばにあり、母は絨毯の上に仰向けの格好で倒れていました。 「転びましたか? 痛い所はありますか?」 「あら、貴女、家にいたの?」 「隣の部屋にいましたとも。痛くないのですか?」 母は 天井をじっと眺めて少し考…

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風の前の塵に同じ 母と私

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰のことわりをあらはす おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし 猛きものも終には滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ 「ほら、やっぱりね。そうだと思いましたよ」 都議会議員選挙開票の放送を見ながら 母は「驕る平家は久しからずよ」と、自民党の議席が過去最低になるとのニュースに 身を乗り出しました。 …

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14歳には見えない藤井四段

昨夜は、母と二人で将棋の決勝トーナメントをテレビで見ておりました。 「四段同士の戦いなのね?」 「はい。お二人とも十代だそうです」 「そうなの、お若いわね」 「ええ、増田さんが19歳、藤井さんは14歳だそうです」 「ふうん。藤井さんて水色のネクタイの人?」 「はい、そうです」 「とても14歳には見えないわね」 「確かに。14歳とは思えませんね。いくつに見えるのですか?」 「…

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